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iDeCo改正のポイントは?限度額アップ、70歳まで積立可能に

2025/5/16

 老後の資金づくりを支える制度、iDeCoがさらに使いやすい制度に生まれ変わります。拠出限度額の引き上げやマッチング拠出上限規制の撤廃など、資産形成の幅を広げる見直し案が検討されています。現時点で明らかになっている改正ポイントを紹介します。

目次
  1. 税制改正大綱で明らかになっているiDeCo2.0改正の方向は?
  2. iDeCoの拠出限度額の大幅引き上げ
  3. マッチング拠出の上限規制撤廃
  4. iDeCoに70歳まで積み立て可能に
  5. 「iDeCo改悪」はホント?受取時税制の「公平化」
  6. 施行時期はまだまだ不明。限度額引き上げは早くても2026年末施行?

※このレポートは、YouTube 動画で視聴いただくこともできま す。
著者の山崎 俊輔が解説しています。以下のリンクよりご視聴ください。
iDeCo2.0、改正でどう変わる?限度額引き上げ/70歳まで/改悪?

税制改正大綱で明らかになっているiDeCo2.0改正の方向は?

 岸田内閣が資産所得倍増プランを掲げていたのも、もうずいぶん昔のことのように思えますが、NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)に並んでiDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)改革が柱の一つでした。

 2024年12月の2025年度税制改正大綱ではiDeCo改正に向けた方向性が示され、大幅改革が明らかになりました(非課税枠の問題が多いのでまず税制改正大綱で方向性が示され、翌年の法改正につながっていく)。

 本来すでに審議入りしていたはずの年金関連法案ですが、提出が遅れに遅れているので(執筆時点。報道では参院選後にずれ込むとの臆測も)、今回は法案ベースでの解説ができませんが、予定されているiDeCo改正のポイントを紹介したいと思います。

 詳しくは、法案成立後に改めて取り上げます。

iDeCoの拠出限度額の大幅引き上げ

 拠出限度額については、全体として月7,000円の引き上げが行われます。これは企業型の確定拠出年金(DC)にも適用されます。また、iDeCoについては月2.0万円まであるいは月2.3万円までといった上限がありましたが、これを取り払い、新しい上限である月6.2万円まで引き上げられます。

 働き方によって限度額が異なる部分を確認すると、

○企業年金のない会社員の場合

 月2.3万円までだった上限を取り払い、制度全体の上限である月6.2万円まで上限が引き上げられることになります。これは大幅な引き上げです。

○公務員や企業年金のある会社員の場合

 月2.0万円までであった上限を月6.2万円に引き上げますが、企業年金や企業型の確定拠出年金の掛金額については枠を先に使い、残った分がiDeCoの上限となります。

(参考式) (月6.2万円)-{(企業年金等の掛金額:他制度掛金相当額)+(企業型の確定拠出年金の掛金額)}=iDeCoの上限額

○公務員の現在の制度の場合

(月6.2万円-月0.8万円=月5.4万円)となるので、月2.0万円から大幅増です。多くの会社員も似たような増額が実現すると思われます。

○自営業者等の国民年金第1号被保険者

 現在月6.8万円までのところ、プラス7,000円となり月7.5万円まで積み立て可能となる予定です(国民年金基金の掛金との合計)。

○専業主婦など国民年金の第3号被保険者

 現状の月2.3万円から変化はない予定です。

マッチング拠出の上限規制撤廃

 こちらは地味な改正ですが、企業型DCのマッチング拠出における掛金上限規制も撤廃されます。マッチング拠出とは、iDeCoとほぼ同等のメリットを企業型DCの内部で実現する仕組みです。企業型の確定拠出年金とiDeCoの2口座を持たなくても、1口座で本人掛金も納付、運用が行えます(口座管理手数料もかからないことがほとんど)。

 ところが、企業年金である以上は「会社の掛金より多く個人が出してはいけない」という規制があり、iDeCoなら月2.0万円出せるのにマッチング拠出の場合月1万円までしか出せない(会社掛金が月1万円の場合はそれ以下に制限されるため)のような不利益が生じていました。

 今回、iDeCoの方が月2.0万円や月2.3万円の上限を取り払うことに合わせ、マッチング拠出についても月6.2万円の上限と会社の企業年金の掛金額との差額の範囲は自由に積み立てられることになります。

(参考式) (月6.2万円)-{(企業年金等の掛金額:他制度掛金相当額)+(企業型の確定拠出年金の掛金額)}=マッチング拠出の上限額

iDeCoに70歳まで積み立て可能に

 現在、公的年金加入者であれば、65歳までiDeCoの積み立てが可能となっています。例えば60歳で定年を迎えて継続雇用となった場合、厚生年金に加入していれば、65歳までiDeCoの積み立てができます。

 これについて、条件付きながら70歳までの積み立てを可能とする改正が予定されています。

 現在明らかになっている改正案では、公的年金に加入をしていなくても、60~70歳までの人がiDeCoに積立金がある(あるいは企業型の確定拠出年金等からiDeCoに移す資産がある)場合を、iDeCoに引き続き拠出できるものとし「60~65歳までの利用者範囲拡大」を図るとともに「65~70歳までのiDeCo利用」を可能にするという考えのようです。

 70歳というと、65歳から年金を受けつつiDeCoには積み立て、という可能性があります。現状では、60歳代前半で年金をもらい始めた場合、iDeCoの積み立ては続けられませんので、これは引き続き継続すると思われます。ここは、法案を見て確認したいところです。

「iDeCo改悪」はホント?受取時税制の「公平化」

 ネットでは「iDeCo改悪」と説明されることが多いのですが、会社の定年が65歳以上の会社員だけ、退職所得控除を二重取りできる不公平について見直されることになりました。ここでは、むしろ公平化であると考え、説明します。

 受取時の退職所得控除の非課税枠は「iDeCoの一時金受け取り、会社の退職一時金、会社の確定給付企業年金や確定拠出年金の一時金受け取り、中小企業退職金共済や小規模企業共済など」の合計額に対してかかるのが大原則です。しっかりしたiDeCo本を読めばどこでもそう書かれているはずです。

 退職所得控除はそれぞれの制度の加入年数のうち、最長のものを使えます(つまり金額が最大のものを使ってよい)。このとき異なる年に受け取った場合も一つの退職所得控除を使うのが原則となっていて「退職金等が先」「iDeCoが後」の場合は20年空けても一つの退職所得控除を用いることが明確化されています。

 ところが「iDeCoを先」で「退職金等を5年後」に受け取る場合、退職所得控除の二重利用が可能になっていました。これはiDeCoの法律をスタートさせた段階ではあり得ないシチュエーションだったためです(当時は65歳までの継続雇用制度すら整備されていなかった)。

 2026年より「iDeCoが先(最短60歳)」の場合「退職金等が10年後」にならないと退職所得控除は一つの枠を用いることになります。これを「iDeCo改悪」と言っているわけですが、原則に沿っているだけ、ともいえます。

 また、このメリットを使えるのはごく一部の人に限られていました。多くの企業では60歳定年ですから65歳に退職金をもらうことはできません。例えば60歳以降年収が全く下がらず、65歳定年まで働けて、かつ会社の退職金や企業年金が充実している人の場合、iDeCoは60歳で解約(まだ働いているのに)、65歳で会社の退職金を受ければ退職所得控除を二重取りできます。

 ……しかしこれ、もともと年収も高いし退職金も高い一部の会社員だけが退職所得控除を二重取りして得をするということになります。

 繰り返しますが、60歳定年で退職金を60歳でもらう人は今回の「改悪」は無関係です。この見直しは必要な措置であり、むしろ適切なものだと考えています。

 ただ、5年くらい前にやっておくべきだったと思いますが。タイミングが遅すぎたことは批判されても仕方ないといえます。

施行時期はまだまだ不明。限度額引き上げは早くても2026年末施行?

 最後に改正の施行時期ですが、これも法案次第です。

 退職所得控除の取り扱いは国会を待たずに変更されるので2026年1月から実行されると思われます。

 それ以外の改正は法案が成立し(法案では施行後3年以内、のようなあいまいな表記にすることが多い)、それぞれの項目について「XX年XX月から」と示されることになります。

 一番気になる限度額の引き上げですが、12月から施行し、1月の拠出から引き上げられると考えた場合(2024年12月の引き上げ事例を踏まえ)、2026年12月、あるいは2027年12月となると考えられます。

 システム変更の労力を考えると2027年12月もありえますが、できれば2026年12月といきたいところ。システム改修の時間を確保するためにも早期の法案成立をお願いしたいところです。

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